CASE時代の自動車ソフト開発の課題と可能性を展望する

オートモーティブ・ソフトウェア・フロンティアがデビューして今年で5年目を迎えます。自動車開発においては、C（コネクティッド）、A（自動化）、S（シェアリング）、E（電動化）といった新たな次元での技術革新が破壊的速度と変化の幅で起こっており、「100年に一度」といわれる未来の社会の様相を変えてしまうほどに未曾有の潮流の只中に突入しました。

この技術革新は単なる自動車業界内のみではなく、周辺のテクノロジーやサービスを含む様々なレイヤーの産業を巻き込み破壊と進化を続けています。また自動車がモビリティというあらたな位置づけを得ることにより、過疎化や高齢化社会、環境など多様な社会問題解決の糸口となる可能性が芽生え、開発工程のそのものの変革、AI・ディープラーニングの活用、環境課題への取り組みなど自動車業界内外のエンジニアに課される取り組むべき課題は山積しております。

本フォーラムでは自動車ソフトウェア開発を基軸に、これまで様々な自動車技術や開発環境をレビューしてまいりましたが、CASEというキーワードと共に、ITやエレクトロニクス業界をはじめとする他業種との連携や協業がますます盛んになりつつあるというのが「フロンティア」の現状かと思います。

今回も産業界、行政界、学会から多士済々のエキスパートの方々が講師として布陣されております。まさにCASE時代における自動車技術をめぐる「フロンティア」を眺望できる他にない機会かと思います。

皆様にとって実り多い場となり、自動車業界におけるイノベーションの一助となりますことを期待しております。ご来場を心よりお待ちしております。

「オートモーティブ・ソフトウェア・フロンティア」プログラム委員長

高田 広章
（名古屋大学 教授）