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産学連携フォーラム「第15回 自動車技術に関するCAEフォーラム2023 オンライン」 2023年2月9日(木)、10日(金)

2月10日(金) 基調講演・特別講演
9:30-9:35
(5分)
OP-2 オープニングリマークス

オープニングリマークス

小竹 元基

「自動車技術に関するCAEフォーラム」プログラム副委員長

東京大学 大学院新領域創成科学研究科

准教授

小竹 元基

9:35-10:05
(30分)
K2 基調講演

日本の自動車産業が脱炭素の戦いで勝ち抜くために

姉川 尚史 氏

東京電力ホールディングス株式会社

フェロー

姉川 尚史

概要

世界中でEV化の流れが加速すると同時に、電力インフラの再生可能エネルギーへのシフトも加速している。温暖化対策として生じている変化であるが、欧州を筆頭この変化を自国に有利に活用するために政策的な支援を出動させている。
CO2排出量の削減の様な規制強化は厄介であるものの、世界中の産業が遍く守らなければならない以上、特に日本だけが不利になるものではない。マスキー法は技術力でクリアしたホンダの飛躍の例の様に、日本の自動車産業の技術力は、再生可能エネルギーの活用の面でも力を発揮できるところが大きいと考える。

プロフィール

1983年東京大学大学院原子力工学修士課程修了、同年東京電力(現・東京電力HD)入社。2004年技術開発研究所電動推進グループマネージャー、11年原子力設備管理部長兼技術開発研究所、13年常務執行役、14年取締役常務執行役、18年フェロー・経営技術戦略研究所長。21年より現職。また、CHAdeMO協議会の創設に関わり、19年同会長。同年e-Mobility Power会長。

10:05-10:35
(30分)
S2 特別講演 日本語字幕付き

Building the Simulation Foundation of the Future/未来のシミュレーション基盤の構築

Steve Pytel 氏

Ansys, Inc.

Vice President of Product Management

Steve Pytel

概要

The value that Ansys provides is the ability to simulate real-world physical phenomena, and since the days when simulations were performed by a single expert, simulations can now be performed by any developer or engineer. In addition, technological innovations have enabled complex multi-physics analysis and collaboration between customers and solution partners. Based on that, Ansys will present real-life examples of how simulation is being utilized in the automotive industry and how to build the simulation of the future.

Ansysが提供する価値は、実世界の物理現象をコンピュータ上でシミュレーションできることにある。1人のエキスパートがシミュレーションを行っていた時代から、開発・技術者が誰でもシミュレーションを実行できる環境が整ってきた。さらに、技術革新は複雑なマルチフィジックス解析や、お客様とソリューションパートナーが連携し解析することを可能にした。これらを踏まえて、自動車業界においてシミュレーションの普及を進めるAnsysの実例と、未来のシミュレーション構築について紹介する。

プロフィール

Steve has held various roles at Ansys beginning as a Signal Integrity Application Engineer to his current role as the Vice President of Product Management. He also has part of responsibility to create a tight alignment with customers in automotive industry. He received a Doctor of Philosophy specializing in Signal Integrity from the University of South Carolina and has over 50 publications with an invited book chapter on signal integrity simulation within Maxwell’s Equations: The Foundations of Signal Integrity authored by Paul Huray.

アンシス社では、シグナルインテグリティ・アプリケーションエンジニアから始まり、現在は製品管理、製品マーケティング、インダストリーマーケティング担当副社長として、さまざまな役割を担っている。また、自動車業界の顧客との緊密な連携を実現する役割も担っている。サウスカロライナ大学でシグナルインテグリティを専門とする哲学博士号を取得し、50以上の出版物を持ち、Maxwell's Equationsの中でシグナルインテグリティシミュレーションに関する招待図書の章を執筆している。Paul Huray著「The Foundations of Signal Integrity」の中で、シグナルインテグリティシミュレーションに関する招待講演を行っている。

10:35-10:45
(10分)
K2/S2に関するQ&Aセッション
10:45-11:05
(20分)
休憩
A5ブロック B5ブロック
11:05-11:30
(25分)
CAEの利活用環境
A5-1 招待講演

HPCクラウドの業務適用を振り返る

竹熊 義広 氏

株式会社SUBARU

エンジニアリング情報管理部

主事

竹熊 義広

概要

SUBARUでは、『安心と愉しさ』をお客様へ届けるためのアイテムとして安全性・耐久性・走破性をはじめとする機能を提供してきた。
その質の向上のためには、CAE技術とHPC技術の環境構築が必要不可欠である。
講演では、HPCの環境構築において、環境の質向上やコスト削減を目指して、クラウド環境で実現できた内容をYWT(やったこと・わかったこと・次にやる事)形式にて講演する。

プロフィール

1989年に(株)SUBARU入社。山口県出身。
約15年間、設計3Dデータ作成に従事
約5年間、開発部門のインフラ運用管理に従事
約10年間、CAEインフラの運用管理に従事

構造・設計CAE
B5-1 招待講演

剛性・衝突・NVHの複数性能を同時に満たす車体のトポロジー最適化

和田 尚美 氏

マツダ株式会社

統合制御システム開発本部
MBD革新部 第3解析グループ

アシスタントマネージャー

和田 尚美

概要

自動車開発において、軽量化と車両性能の両立は重要課題であり、開発初期段階の車体フレームワーク検討では、設計自由度が高いトポロジー最適化が有効なツールである。しかしながら一般的な汎用ツールは線形問題のみに特化していることが多く、衝突などの大変形を伴う非線形問題を扱うことは難しい。本取り組みでは、振動問題として動特性にも着目して、線形(ねじり剛性・振動)問題と非線形(衝突安全性)問題を同時に解決するトポロジー最適化手法を開発した。

プロフィール

2013年マツダ株式会社入社
車両開発における衝突・NVH・強度・操安剛性のCAEプロセス効率化の推進を担当。
構造最適化(トポロジー最適化など)による構造提案にも従事。

11:30-11:55
(25分)
CFD/熱マネージメント
A5-2 企業講演

TAIThermを用いた人体快適性ベースの車室内空調制御による電費低減効果のシミュレーション

周 徐斌 氏

EThermo株式会社

周 徐斌

提供:ThermoAnalytics, Inc.

概要

車室内の温度指標を基にした空調制御では、設計フェーズにおいて過渡的に乗客が快適に感じているかどうかを予測することが困難である。マージンを載せた空調システム設計では電費は必要以上にかかる可能性がある。電費低減のため、直接、人体快適性をベースにした制御を考案した。車室内温熱環境のデジタルモデルおよび人体熱モデルを利用したシミュレーションを用いて、乗客の温冷感、快適性を直接、定量化、可視化することが可能であり、それに基づいた空調制御では従来より電費が低減されている。本セッションでは、その一連のシミュレーション方法と取り組みを示す。

プロフィール

2012年6月上海交通大学造船工学部大学院卒業 同年7月に来日、メーカー、CAEベンダーを経て2020年に3次元熱解析ソフトウェアTAIThermを販売・技術サポートするEThermo株式会社を設立し、現在に至る。
日本機械学会認定 計算力学熱流体解析分野 上級アナリスト

構造・設計CAE
B5-2 企業講演

機能強化を行った全自動ソフトウェアで手修正を極限まで削減

~AIを用いて外形面の特徴をとらえて形状認識~

西浦 光一 氏

インテグラル・テクノロジー株式会社

代表取締役

西浦 光一

概要

“処理結果安定性・処理時間高速化・手修正削減”を兼ね備えた全自動中立面メッシュ生成ソフトを開発。これらを実現するために、独自の特許取得技術であるAIや形状認識技術を用いてフィレット、穴、円筒を認識し制御することで、形状再現性を追求した。また、本ソフトはボタン1つで各社のニーズに沿ったメッシュ生成を自動で行うことができ、設計者でも専任者でも同等の品質が担保されたメッシュ生成結果を得ることができ、誰でも安定的な処理結果出力が可能である。

プロフィール

1953年生まれ、奈良県出身。1979年大阪府立大学大学院工学研究科機械工学専攻卒業。メーカーを経て2007年に顧客(製品開発者)ニーズのCAE用ソフトウエアを開発し販売するインテグラル・テクノロジー株式会社を設立し、現在に至る。

11:55-12:05
(10分)
A5ブロックに関するQ&Aセッション
B5ブロックに関するQ&Aセッション
12:05-13:00
(55分)
休憩
A6ブロック B6ブロック
13:00-13:25
(25分)
概念・構想・機能設計CAE 電動化/モータ/ランダム振動
A6-1 招待講演

ランダム振動試験における電動車用駆動モータ耐久性能のCAE予測手法

那須野 喜史 氏

トヨタ自動車株式会社

計測・デジタル基盤改革部

主任

那須野 喜史

概要

自動車の電動化が加速するなか、電動車の基幹部品であるモータにおいても効率的に信頼性の高いものを開発していく必要があり、CAEの活用が期待されている。モータの信頼性評価のひとつに路面やパワートレインからの入力を想定したランダム加振評価がある。CAEによるランダム振動解析は多くの産業分野で適用されているが、様々な入力が想定される電動車用モータへの適用事例の報告は少なく、これまでは試作評価に頼った開発を実施していた。そこで設計段階で耐久性能の確保を可能にするCAE予測技術を確立したので紹介する。

プロフィール

2005年トヨタ自動車株式会社に入社。
開発部門にてCAE解析を通じた動力伝達系のNV開発に従事したのち、電動車用モータの強度分野を中心に構造系のCAE技術開発及び製品開発に従事。

構造・設計CAE
B6-1 招待講演

車両開発期間短縮に向けた衝突CAE計算環境の整備と適用について

今村 孝一 氏

株式会社SUBARU

車両安全開発部

今村 孝一

概要

衝突安全の最適設計、ロバスト設計の検討にLS-DYNAとmodeFRONTIERを用いている。適用拡大を図り、複合領域の最適化を行いたいが、計算フローやスクリプトの作成など、操作する人員が限られてしまう課題がある。
各処理を統合する仕組みを用いて誰にでも扱える仕組みを構築した。今回、適用事例を発表する。

プロフィール

1995年株式会社SUBARU(当時、富士重工業)入社
車体設計部にて軽自動車の設計業務に従事したのち、1999年に構造CAE解析の専門部署に移動。
2005年協力会社に出向しCAE人材の育成と航空機構造解析の支援に従事。
2008年以降はSUBARUに復帰し乗用車の衝突CAEに従事している。

13:25-13:50
(25分)
概念・構想・機能設計CAE
A6-2 企業講演

接触面剛性を考慮したステータコアの振動特性予測と応用

碇本 岳士 氏

ニュートンワークス株式会社

CAE総合開発センター

アシスタントプロジェクトリーダー

碇本 岳士

概要

モータにおける積層ステータの振動特性をシミュレーションにより評価する場合、一体物の直交異方性材料としてモデル化することが一般的である。しかし、直交異方性材料はステータの仕様が変更となるたびに実機の振動試験結果から同定する必要があり、多くの工数が必要となる。そこで、積層間の接触状態に基づく接触面剛性を考慮した振動解析により、試験レス(あるいは、少ない試験回数)で積層ステータの振動特性を予測する手法について報告する。

プロフィール

2004年より有限要素法にて構造解析・振動解析などを活用した開発業務への技術支援に携わる。2013年ニュートンワークス株式会社入社。自動車・産業機械・電機関連の設計開発部門を中心にCAEの活用・推進業務に従事。

構造・設計CAE
B6-2 企業講演

Positioning Human Body Models Based on Experimental data

中村 由香 氏

株式会社BETA CAE Systems Japan

カスタマーサービス部

スーパーバイザー

中村 由香

概要

Crash Simulation は、複数の衝突シナリオで、さまざまな異なる道路利用者の安全レベルを調査し、確保することを目的としている。そのため、乗員、歩行者の挙動と怪我の可能性を調べる数多くの研究が行われているが、自転車、二輪車の乗員に対する研究はまだあまり確立されていない。これらの道路利用者は、自動車の乗員とは違い、固定されない多様な姿勢をとる。あらゆる統計データで自転車の事故は重症になるケースが多いと認識されている。このような脆弱な道路利用者にも安全で便利な移動を可能にするために、多様な衝突状況における乗員の運動学的挙動を分析する必要がある。
この研究は、実験データによって定義された目標姿勢にヒューマンボディモデル(HBM)を配置する方法を開発することを目的としており、ANSA Python スクリプトとAnsa HBM Articulation ツールを使用してHBMのポジショニングプロセスを開発した。
本講演では、この研究内容について説明する。

プロフィール

2010年に大阪府立大学工学部卒業後、車会社並びに衝突実験機器関連会社にて主に衝突分野に関するCAE業務の経験を積み、2018年に株式会社BETA CAE Systems Japanに入社。カスタマーサービス部に所属し、エンジニアとして技術サポート業務やコンサルティング業務に従事しています。

13:50-14:00
(10分)
A6ブロックに関するQ&Aセッション
B6ブロックに関するQ&Aセッション
14:00-14:20
(20分)
休憩
A7ブロック B7ブロック
14:20-14:45
(25分)
CFD(流体解析)
A7-1 招待講演

熱害検討のための機械学習を用いたCFDモデルの低次元化とその応用

河合 悠奈 氏

トヨタ自動車株式会社

車両デジタル開発部

河合 悠奈

概要

車両開発において、開発初期に多性能成立解を導出することで後の性能背反による手戻りが低減できる。一方、CFDは計算負荷が高く、開発初期における活用が困難である。そこで、テンソル分解を用いたCFDのサロゲートモデルの作成手法を開発。車両熱害検討に用いるCFDに適用し、技術検証した例を報告する。

プロフィール

2020年京都大学大学院にて修士課程修了。同年、トヨタ自動車株式会社入社。
入社後、自動車の熱性能に関する1D/3Dモデルでの解析業務やデータサイエンスを用いた予測ツール開発に従事。

モノづくりのための生産加工・設計CAE
B7-1 招待講演

デジタル画像相関法(DIC)を活用した樹脂の熱変形CAE用材料パラメータの検証

鈴木 一弥 氏

スズキ株式会社

四輪車両技術本部 環境・材料・生産技術開発部
基礎・先行技術開発グループ

鈴木 一弥

概要

樹脂部品の熱変形をCAEで予測するためには、温度依存および時間依存の材料パラメータが必要である。
本講演では、観察窓付き恒温槽内に投入した樹脂部材に発生する熱変形の経時変化をデジタル画像相関法(DIC)によって測定した結果をもとに、従来の熱サイクル試験では不可能であった材料パラメータの妥当性検証を実施した事例を紹介する。

プロフィール

2014年にスズキ株式会社へ入社し、複合材料の適用技術開発、内装部品の軽量化技術開発および設計業務を担当した。
現在は環境・材料・生産技術開発部にて、生産工程内および使用環境下における部品の変形挙動を予測するCAE技術の開発を担当している。

14:45-15:10
(25分)
最適化 AI CFD(流体解析)
A7-2 企業講演

AI/機械学習で簡単・迅速・低コストに最適化設計を実現する「OASIS AI」の概要と適用事例

森本 賢治 氏

株式会社ヴァイナス

技術二部

部長

森本 賢治

概要

AI/機械学習を使用する最適設計システム「OASIS AI」は、最適化の知識やアルゴリズムの選択が不要で、従来の利用システムの操作を変更することなく、簡単かつ短時間で適切な最適化案を迅速に得ることができる。使い易いGUIと強力なAI機能により従来の3D-CAE最適化設計や、制御システム、信号処理、通信、物流工程などの1-Dシミュレーションの最適化のパラメーターを迅速に得ることができる。本講演では、OASIS AIの概要と、多岐にわたる分野の適用事例の中から自動車に関連した最適設計事例を中心に紹介する。

プロフィール

自動車会社、CAEベンダーにてCAEおよび関連のソフトウェア製品、受託システムの開発に従事。ヴァイナスでは、HPC、クラウド関連のシステム開発をはじめ、ワークフロー開発やAIによる次世代最適化システム「OASIS AI」、多目的最適設計エンジン「CHEETAH」などの活用による最適設計の普及拡大を推進している。

14:45-14:55(10分)
B7ブロックに関するQ&Aセッション
15:10-15:20
(10分)
A7ブロックに関するQ&Aセッション
15:20-15:40
(20分)
休憩
15:40-17:00
(80分)
P1 パネルディスカッション

徹底討論:日本におけるカーボンニュートラル/サーキュラーエコノミーの実現に向けて

パネリスト

辻 佳子 氏

東京大学

環境安全研究センター

センター長・教授

辻 佳子

プロフィール

東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻で学位取得、博士(工学)。機能性薄膜のナノ~ミクロな構造制御と情報デバイス、エネルギーデバイスへの応用に関する研究や環境安全学創成に従事。2050年カーボンニュートラル社会の実現を目指して、産業間連携・地域コミュニティ連携による未来社会の全体像を把握して、解決の鍵を見いだすことに挑戦している。化学工学会地域連携カーボンニュートラル推進委員長、周南コンビナート脱炭素推進協議会副会長、日本化学連合副会長、安全工学会理事などを務める。日本学術会議連携会員。

樫山 武士

「自動車技術に関するCAEフォーラム」プログラム委員

スズキ株式会社

環境・材料・生産技術開発部 基礎・先行技術開発課

専門職

樫山 武士

プロフィール

山前 康夫

「自動車技術に関するCAEフォーラム」プログラム委員

トヨタ自動車株式会社

先進プロダクト開発部 CAE技術室

主幹

山前 康夫

プロフィール

高山 光弘

「自動車技術に関するCAEフォーラム」プログラム委員

サイバー・フィジカル・エンジニアリング技術研究組合

本部

常務理事・CTO

高山 光弘

プロフィール

モデレーター

須田 義大

「自動車技術に関するCAEフォーラム」プログラム委員長

東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構 (UTmobI) 機構長

生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター

教授

須田 義大

概要

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