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産学連携フォーラム「第14回 自動車技術に関するCAEフォーラム2022 オンライン 秋」 2022年9月14日(水) 9:30~17:55

  基調講演・特別講演
9:30-9:35
(5分)
OP オープニングリマークス
須田 義大

「自動車技術に関するCAEフォーラム」プログラム委員会

委員長

東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構 (UTmobI) 機構長 生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター 教授

須田 義大

9:35-10:05
(30分)
A-1 基調講演

日本におけるBYDの歩みとこれからの電動化戦略

~カーボンニュートラルの実現について~

花田 晋作 氏

ビーワイディージャパン株式会社

取締役副社長

花田 晋作

概要

1995年に中国・深圳で創業し、ITエレクトロニクス、自動車、新エネルギー、都市モビリティの4つの領域で事業をグローバルに展開するBYD。バッテリーメーカーとして創業した背景から、バッテリーをはじめとするEVのコア技術を自社開発・製造している。日本法人であるBYDジャパンは、2015年に中国自動車メーカーとして初めて日本国内にEVバスを納入。現在では国内EVバスシェア7割を占めている。本セッションでは、BYDの日本での歩みや電動化を推進する取り組み、今後の展望について紹介する。

プロフィール

1970年、滋賀県生まれ。2008年にBYDジャパンに経営戦略室長として入社。2015年には中国自動車メーカーとして初となる日本へのEVバス納入をリードしたほか、EVバス導入にあたって課題だったアフターサービス体制の基盤を構築。2016年、執行役員に就任。2018年、取締役副社長に就任。(現職)日本市場向け商用EVの製品開発を主導するとともに、EVバスに関連するエネルギーマネジメントネットワークの構築に向けたパートナーシップの推進などに取り組む。

10:05-10:35
(30分)
A-2 特別講演

粒子法による自動車分野におけるウォーターマネジメントと既存CAEデータと深層学習AIを活用した形状評価

藤枝 忠臣 氏

SCSK株式会社

製造エンジニアリング事業本部 プロダクト推進部

シニアエンジニア

藤枝 忠臣

プロフィール

製造業・CAEベンダー・シンクタンク等において、熱流体解析・熱設計・熱流体ソルバーの開発等に携わったのち、2019年SCSKに入社。粒子法流体ソルバー「Simcenter SPH Flow」のプリセールスに従事

佐藤 充 氏

SCSK株式会社

製造エンジニアリング事業本部 プロダクト推進部

エンジニア

佐藤 充

プロフィール

製造業において、設計者やCAE専任者の実務に携わったのち、2018年にSCSKに入社。SCSKグループ会社開発である構造解析ソフトウェア「ADVENTURECluster」の解析技術支援活動を経て、深層学習AI製品の販売活動に従事

概要

ADAS・自動運転の発達により、現在の自動車では、センサー等の電子部品が増加している。そのため、これらの被水状況を把握することが非常に重要になっている。ここでは、スプラッシュ等の大規模な自由表面移動を伴う流体解析に適した「粒子法」によるウォーターマネージメントのソリューションを、事例を交えて紹介する。また、2つ目の話題として、既存CAEデータと深層学習AIを組み合わせることで、瞬時の形状評価を可能とするソリューションを準備した。特に計算時間の長い流体解析と組み合わせることで、フロントローディングの進化につながるものと考える。既存事例や、SCSKの構想についてお話しする。

10:35-10:45
(10分)
Aブロックに関するQ&Aセッション
10:45-11:00
(15分)
休憩
11:00-11:25
(25分)
B-1 招待講演
機械学習 ボディ 衝突安全

パターン認識と機械学習を活用した衝突解析におけるロバスト設計

菅野 千歳 氏

トヨタ自動車株式会社

TC車両性能開発部 第3車両性能開発室

主任

菅野 千歳

※本講演は2022年2月に開催した「第13回 自動車技術に関するCAEフォーラム2022」から選出された再放送です。

概要

車両開発において部品や評価条件のばらつきによってボデー開発のやり直しとなる事例が散見される。本研究では、後突の有限要素モデルを用いたばらつきサンプリング計算によって得られた結果に対してロバスト設計のために必要なプロセスを整理し、各プロセスにおいて、統計/機械学習の手法を適用した。設計パラメータから衝突後のボデー変形パターンをニューラルネットワークを用いて予測することで、広範な設計空間に対してのロバストな構造となる条件の探索が短時間で実現可能であることを示した。

プロフィール

2007年京都大学大学院修士課程修了、同年、トヨタ自動車(株)入社。以来、CAEを用いた強度、衝突安全性能開発に従事

11:25-11:50
(25分)
B-2 特別講演
乗員安全 エアバッグ解析 自動車衝突解析

JFOLDによる助手席エアバッグ折り畳みばらつきモデルの作成と乗員傷害値に与える影響

林 信哉 氏

株式会社JSOL

エンジニアリング事業本部

プロフェッショナル

林 信哉

概要

エアバッグの展開解析シミュレーションは、自動車衝突時の乗員安全性を検討するために重要な役割を果たしている。しかし、助手席エアバッグについては、高精度モデルの作成が困難であった。株式会社JSOLは、Ansys LS-DYNAによるシミュレーションベース手法により、複雑に折り畳まれたエアバッグモデルを作成するCAE解析システムJFOLDを開発した。本講演では、JFOLDとAnsys LS-DYNAを使用して実機と同様な展開挙動を再現する高精度な助手席エアバッグモデルを作成し、折り畳みのわずかな違いが乗員傷害値に与える影響について検討を行ったので紹介する。

プロフィール

1993年に株式会社日本総合研究所(のちに株式会社JSOLに分社)に入社。Ansys LS-DYNAによる自動車衝突安全解析の受託開発業務、技術コンサルティングを主に担当。近年は、樹脂・複合材解析、エアバッグ折り畳み解析ツール、コンセプト設計解析ツールの開発など、従来の課題を克服する技術開発プロジェクトを担当している。技術士(機械部門)。

11:50-12:00
(10分)
Bブロックに関するQ&Aセッション
12:00-13:00
(60分)
お昼休憩
13:00-13:30
(30分)
C-1 基調講演

立位CTに基づく体格別の人体有限要素モデルの構築と衝撃応答

水野 幸治 氏

名古屋大学

工学研究科機械システム工学専攻

教授

水野 幸治

概要

慶応大学医学部との共同研究により、男女10名について立位CT、臥位CTを用いて、立位、ベルト着用着座、リクライニングベルト着用の計測を行った。この画像をもとにモーフィングによって人体有限要素モデルTHUMSから、男女別に高BMI、中BMI、低BMIについて乗員および歩行者モデルを作成した。シートベルト着用乗員の衝撃解析から、腹部軟組織厚さ・骨盤形状と骨盤回転・サブマリン発生の関係を求めた。これらの研究成果について報告する。

プロフィール

日産自動車入社(1988年)、運輸省交通安全公害研究所入省(1990年)、名古屋大学助教授(2001年)、現在 名古屋大学教授.SAEフェロー,自動車技術会フェロー,自動車技術会フェローエンジニア

13:30-14:00
(30分)
C-2 招待講演

機械学習を用いた衝突CAEの計算コスト低減

山本 健太郎 氏

株式会社SUBARU

技術本部 車両安全開発部 衝突安全第3課

係長

山本 健太郎

※本講演は2022年2月に開催した「第13回 自動車技術に関するCAEフォーラム2022」から選出された再放送です。

概要

ものづくりの初期段階では様々な試行のためにスピードが重視される。機械学習によるCAEの代理モデルも有効な手段の一つであるが、実用には学習用データの生成時間がネックとなる場合が多い。今回は歩行者保護(脚部)を題材とし、CAEモデルの簡易化と計算時間短縮を、機械学習を用いて行った事例を紹介する。

プロフィール

  • ・2003年 早稲田大学卒業
    同年から約2年半、SI企業にてシステム開発業務に従事。
  • ・2006年 株式会社SUBARU入社
    CAE専任部署で約13年、衝突安全性能のCAE評価、技術開発の業務を担当。
  • ・2019年 安全性能の評価部署に異動し、歩行者保護性能に関する業務を担当。現在に至る。
14:00-14:10
(10分)
Cブロックに関するQ&Aセッション
14:10-14:20
(10分)
休憩
14:20-14:45
(25分)
D-1 招待講演

機械学習を用いたロードノイズ予測手法およびメカニズム解明支援技術の開発

足立 崇勝 氏

マツダ株式会社

技術研究所

シニア・スペシャリスト

足立 崇勝

※本講演は2022年2月に開催した「第13回 自動車技術に関するCAEフォーラム2022」から選出された再放送です。

概要

NVH性能改善のための設計支援を目的とし、車体各部品の特性と現象を示す中間変数とロードノイズ性能の関係性を可視化する研究をしている。
今回、機械学習によるサロゲートモデル構築と重要因子連鎖構造の可視化により、メカニズム解明と設計指針導出を支援するデータ分析プロセスを実現したため報告する。

プロフィール

2011年マツダ株式会社に入社.
車両開発本部にて衝突性能のためのモデルベース開発に従事したのち、技術研究所にてロータリーエンジン筒内流動研究、エンジン低摩擦構造研究を経て、現在はコンピュータサイエンス技術研究に従事している。
車両からエンジンまで、AI技術を活用した実験解析データ分析による、MBR・MBDのためのメカニズム解明・モデル化に注力している。

14:45-15:10
(25分)
D-2 特別講演
疲労解析手法 Dirlik

動的入力下におけるDirlik法を用いたEV構成部品の振動疲労解析

三宅 將史 氏

株式会社BETA CAE Systems Japan

カスタマーサービス部

シニアエンジニア

三宅 將史

概要

環境問題への対応のため、全世界的に電動車両へのシフトの波が生じている。
電動車両に不可欠な強電系の電装部品は、路面からのランダム入力やパワートレインの加振を受けて寿命が低下するため、初期段階で疲労を考慮した設計を行う必要がある。試作ができない初期段階においては、疲労寿命を予測する解析手法が求められる。
本講演では、開発中に生じたパワーインバータのバスバーに生じる疲労破壊を題材として、その対策に実際に適用した手法(Dirlik法)を紹介する。
単純な車両模型モデルを用いて、手法の手順を説明し、最後にパワーインバータへの適用例を示す。

プロフィール

自動車メーカーの開発部門にて、非線形解析・最適化を含めた構造系のCAE評価・構造適正化を担当。2019年より、当社カスタマーサービス部のエンジニアとして、強度分野を中心に技術サポートや提案業務に従事。

15:10-15:20
(10分)
Dブロックに関するQ&Aセッション
15:20-15:30
(10分)
休憩
15:30-15:55
(25分)
E-1 招待講演

数理最適化とAIを用いたアーク溶接条件の導出

安座間 尚之 氏

スズキ株式会社

デジタル化推進部 データ分析推進グループ

安座間 尚之

※本講演は2022年2月に開催した「第13回 自動車技術に関するCAEフォーラム2022」から選出された再放送です。

概要

アーク溶接は四輪車、二輪車のフレームに多く使用される接合技術である。適切な溶接を行うための条件設定は、継手形状、材質、板厚、電流/電圧や溶接速度などの組み合わせを考慮して過去の経験から導いているものの、現物試作を繰り返しながら確認作業を行うには多くの時間とコストがかかる。そこで、AIと数理最適化を用いて3D CADの継手形状から適切な溶接条件を導く技術を開発した。溶接実験で溶込みを予測する実験式を作成し、実験式と数理最適化を組み合わせて適切な溶込みが得られる溶接条件を導出した。また、実験式は継手形状によって異なるため、3D CADの継手形状を自動で分類するAIを開発した。

プロフィール

2015年にスズキ株式会社に入社。CAE推進グループに配属され、アーク溶接やダイカスト鋳造などの生産技術関連のCAE技術開発に取り組む。その後、生産技術を対象に機械学習などのデータ分析技術を用いて業務を効率化する取り組みに携わり、現在は設計業務の効率化にも取り組んでいる。

15:55-16:10
(15分)
E-2 特別講演

DXを実現する劇的な解析環境の変革を下支えするBuilt for HPC Cloud

吉村 学 氏

Rescale Japan 株式会社

Sales

ヘッドオブセールス ジャパン

吉村 学

概要

自動車開発の現場では、xEV車やNEV車、自動運転車へのシフトに伴って、従来の流体/構造/衝突解析のみならず、モーターやバッテリーおよび電子制御やセンサーなど、幅広い解析業務と大規模で柔軟な計算リソースの利用が変革の鍵である。
RescaleクラウドベースのHPCテクノロジーは、短期間での導入を実現し、時間や物理的な制限のないシミュレーションが可能、自動化や最適化などDXに貢献する。今回は、Rescaleがどのような貢献ができるのか、英国EV車メーカーのArrival様、また日本のデンソー様や韓国のハンコックタイヤ様などの事例紹介を交えクラウドR&D環境の概要を紹介する。

プロフィール

2019年3月にRescale Japanに入社。アカウント・エクゼクティブとして、グローバルで活躍される様々な業界をリードしている大手製造業のお客様を営業として担当。2022年5月ヘッドオブセールス ジャパン就任。

16:10-16:25
(15分)
E-3 特別講演

電動車の熱設計を加速させる解析ソリューション

岡野 光佑 氏

株式会社構造計画研究所

SBDプロダクツサービス室

岡野 光佑

概要

自動車業界100年に1度の大変革期を迎えており、『CASE』や『ADAS』といった新たな潮流から自動車の電動化がトレンドとなっている。このような背景から、電子機器の品質確保において半導体部品や基板の使用温度範囲を守るための『熱設計』の重要性が高まっている。本公演では、製品の小型化や高制御化と開発期間の短縮を両立させるため熱設計で解析を活用するためのポイントを三次元CAD統合型熱流体解析ツールSimcenter FLOEFDの最新情報とあわせて紹介する。

プロフィール

構造計画研究所 SBDプロダクツサービス室の流体解析エンジニアとして、プリセールス活動と技術サポート、トレーニング講師を努めユーザーの導入立上げ支援を担当。この1年、自動車メーカーの技術担当として複数事業部門での設計者CAE展開の支援に注力している。

16:25-16:40
(15分)
Eブロックに関するQ&Aセッション
16:40-16:50
(10分)
休憩
16:50-17:15
(25分)
F-1 招待講演

X線を用いた衝突中の車体変形の可視化

中田 杏里 氏

本田技研工業株式会社

四輪事業本部 ものづくりセンター 開発戦略統括部

アシスタントチーフエンジニア

中田 杏里

※本講演は2022年2月に開催した「第13回 自動車技術に関するCAEフォーラム2022」から選出された再放送です。

概要

衝突試験において、衝突中の挙動を把握することは重要である。シミュレーションでは細部まで確認できるが、実際の試験では得られる情報は少なく、シミュレーションの妥当性を検証するのが難しい。今回、X線を用いて、これまで確認できなかった衝突中の車体内部の変形の観察を試みた事例を紹介する。シミュレーションを用いて観察対象に対するX線の投影方法やX線設備下で試験を再現する手法について検討を行ったのち、実際に衝突試験を行い、車体内部のX線の撮影に成功した。また、事前シミュレーションとの比較を行った。

プロフィール

2002年本田技研工業(株)入社。電装研究部門を経て、2008年より衝突CAE部門にて、前面衝突性能評価を担当。近年は、新試験方法の評価やCAEを検証するための実車試験の計測技術開発に従事。

17:15-17:40
(25分)
F-2 特別講演

AI援用による樹脂中立面生成システム全自動化の展望

西浦 光一 氏

インテグラル・テクノロジー株式会社

代表取締役

西浦 光一

概要

“処理結果安定性・処理時間高速化・手修正削減”を兼ね備えた全自動中立面生成ソフトを開発した。ボタン一つで手作りのようなメッシュを生成する為に、母材等のBase側とリブ等のUpper側に自動分離しメッシュ生成する。そうすることでBase 側はメッシュフローが綺麗に流れる碁盤目状のメッシュを生成し、Upper側は形状を崩さずメッシュ生成することが可能となった。メッシュ品質を担保する為に独自の形状認識方法でフィレット、穴、円筒を認識し制御を行い、エラー数を2桁以下まで削減している。解析に流れる精度のメッシュ品質も自動で担保している為、設計者でも簡単に高品質なメッシュ生成が可能である。

プロフィール

1953年生まれ、奈良県出身。1979年大阪府立大学大学院工学研究科機械工学専攻卒業。メーカーを経て2007年に顧客(製品開発者)ニーズのCAE用ソフトウエアを開発し販売するインテグラル・テクノロジー株式会社を設立し、現在に至る。

17:40-17:50
(10分)
Fブロックに関するQ&Aセッション
17:50-17:55
(5分)
CL クロージングリマークス

「自動車技術に関するCAEフォーラム」プログラム委員会

副委員長

東京大学 大学院新領域創成科学研究科 准教授

小竹 元基

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